薪割り斧VIPUKIRVES™ ヴィポキルヴェス誕生物語。

今から20年前。森の美しさを知り尽くした男ヘイキ・カルナ(Heikki Kärnä)は、フィンランド南部に広がるスィポー(Sipoo)の森に移り住んだ。幼いころから夢見ていた理想の家を建てるため、金物屋で手に入れた道具だけを頼りに、たった一人で土地を開墾し始めた。
陽の光さえも届かない巨大なモミの林。作業はことのほか困難なものであったが、彼は諦めることなく作業を続けた。 巨木を倒し、根を起し、岩を動かし…。
作業は過酷であるばかりか、危険を伴っていた。振り下ろした斧が丈夫なワークブーツをかすめる。補強を施したワークブーツは怪我を防いでくれたが、絶えず傷つけられ数日で使い物にならなくなった。
木を倒した後には太い幹や枝が山積みだ。
「やれやれ、これから薪作りか。大変な作業になるな…」
彼は手袋を外して切り株に腰を下ろした。そして額の汗を拭きながら考え始めた。
市場に出回っている中で最高とされる斧を見つめていたその時、
「しめた! この研究は“いける”かもしれない」
沢山のアイデアが一度に湧き上がって来た。それから彼は来る日来る日も斧のスケッチを描き続け、原型を考えては地元の鉄工所に持って行き、試作を依頼した。
こうしている間も、沢山の新型薪割り斧が発売されたが、どれも重さが増していたり、刃に不必要な細工が施されているものばかり。
漠然と「何か新しい斧が出来るはずだ」と思っていたが、アイデアは完成に至らず、くじけそうになった。
「使いやすくて、安全な斧。電気が来ない山奥でも、トラクターが入って来られない険しい場所であっても簡単に持ち運べて、効率良く使える斧が欲しい」
…それから数年。
庭のじゃまな石をバールで掘り起こしていたとき。
「これだ! やっと見つけたぞ!」
バールがものをこじ開ける動き、岩や木の根を掘り返す動きは、斧にも応用出来る!
急いで家へ駆け込み、全く新しい“テコの動きをする斧”のスケッチを描き始めた。
試行錯誤を繰り返すこと15年、薪割り斧VIPUKIRVES™ヴィポキルヴェスはこうして誕生したのである。